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ウェアラブルカメラを活用した、現地調査の遠隔サポートサービス

はじめに

アスベスト調査分析株式会社(以下、ARA)では、顧客にウェアラブルカメラをレンタルし、アスベストの現地調査を遠隔サポートする業界初(※)の無料サービスを2024年3月に開始した。サービス提供の背景と、提供によって期待される社会的価値を解説する。

※自社調べ

件数増加が見込まれるアスベスト事前調査

建材に含まれるアスベストに起因する健康被害を防止するため、アスベスト関連の法規制は年々強化されている。2023年10月からは、建築物の解体・改修工事を行う際、アスベスト含有建材が使用されているか否かを確認する事前調査について、有資格者が行うことが義務付けられた。

〈関連記事〉2023年10月法改正のポイント

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一方、国土交通省の推計によると、アスベスト含有建材が使用されている建物の解体工事は今後も増加し、2028年頃にピーク(約10万棟)を迎えるとされている。

そのため建設業界の企業では、件数の増加が見込まれる事前調査への対応力強化に向け、自社の従業員を対象に有資格者を養成する動きが活発化している。

資格を取得するだけでは、実務は困難

厚生労働省によると「建築物石綿含有建材調査者講習」の修了者数は20万4,542人(2024年3月末時点)となっている。

しかし、この20万人超の有資格者全員が即、現場でアスベスト事前調査を実践できるかといえば、それは現実的には困難である。座学の講習で身に付くものは、基礎的な知識にすぎないからだ。

現場で実務を行うには、目視調査でアスベスト含有建材を見落とさないためのポイントや、検体を採取する道具の上手な使い方などの実践的な知識・技能を、経験豊富な調査者から幅広く学び、身に付ける必要がある。

そこでARAでは、アスベスト現地調査を遠隔サポートする無料サービスを2024年3月から開始した。

ARAが提供する遠隔サポートの特長

ARAが提供する遠隔サポートとは、次のようなサービスである。

まず通話機能が付いたウェアラブルカメラをARAが顧客にレンタルする。顧客はウェアラブルカメラを装着して現地調査を行い、その映像をARAの経験豊富な調査スタッフがPCで共有しながら、リアルタイムで指示・サポートする。


ウェアラブルカメラレンタル費、遠隔サポート費、ともに無料で提供していることも特長だ(※本サービス利用時のアスベスト分析をARAに委託する企業が対象)。

遠隔サポートに期待される社会的価値

遠隔サポートサービスは、顧客が行う事前調査の作業効率向上やアスベスト含有建材の見落とし防止に寄与するものである。

そして社会全体でアスベスト事前調査のニーズが増加する中、経験が不足している有資格者の成長を図り、より多くの有資格者が活躍できる環境整備への貢献が期待できる。

それは、より多くの解体・改修工事の現場におけるアスベストの飛散を防ぎ、作業員や周囲の人々の健康と安全を守ることにつながっていく。

さいごに

ARAではアスベスト事前調査の効率化への貢献に、さまざまな形で取り組んでいる。本稿で紹介した遠隔サポートのほかにも、書面調査から事前調査報告書作成まで、一連の流れを効率的に行うことのできるタブレットアプリの開発を進めている。

[参考]

国土交通省 建築物石綿含有建材調査マニュアル

https://www.mlit.go.jp/common/001064663.pdf


厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト

https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/course/

Author
アスベスト調査分析株式会社分析 担当 アス研編集部
まずはお気軽にお問い合わせください。
アスベスト調査分析株式会社【ARA】
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